⬛︎主な受賞歴
2009年 建築士連合会賞「優秀賞」
2010年 東京都建築事務所協会 「東京建築賞最優秀賞」
2010年 東京都建築事務所協会「都知事賞」
2010年 日事連建築賞「優秀賞」
2009年 第22回日経ニューオフィス賞
2009年 日本建築学会「作品選集」
2005年 第38回中部建築賞
2003年第4回日本免震構造協会表彰・作品賞(特別賞)
1998年 第31回中部建築賞
前川製作所新本社ビル
建築の立ち上がっていく様は力強く刺激的だ。剥き出しの鉄骨の力強さ。ギラリと輝くデッキプレートの連続する様。コンクリートの重量感。ところが仕上がると結局ボードの上にビニールクロスというなんともお粗末で貧相な見栄えとなるのだ。建築は構造そのままで美しい。そんな建築を作りたいという思いがこの建築の根幹にあります。鉄骨は耐火塗料を施しその力強い形状を表し、デッキプレートの天井はその力強い輝きを見せます。空調は床吹き出しとしリターンは廊下側のエキスパンドメタル製の下り壁からとっています。ダクトやシャッターボックスはエキスパンドメタルでその形状を見せながら、シャープな治りに昇華させています。
日本経済新聞者千葉工場
ALCと言えば、安物建築の代名詞と言われたりする、デザインの志す設計者から嫌われる材料かもしれません。でも、ALC自体は断熱性と強度を兼ね備えた素晴らしい材料なのです。では何が問題なのか?それは、ジョイント部の構造にあります。一重シールがデフォルトという仕様。一般的には外壁は二重シールが基本で、一重目が耐候性を担い、二重目が止水を担う、そして一重と二重目の間の水を最下端で排水する。では、なぜ、一重が許されているのか?ここから先は私見でしかありません。ALCのシール一重目は確実に切れます。すると水が入りますが、ALCが吸水するため内部にまで水は到達しません。そのうちその水分は乾いてしまいます。ところが寒冷地になりますとALCが給水しますとその水が凍結して膨張しALCが破壊されてしまいます。そんなわけで、寒冷地での使用を禁止している建設会社もあります。このプロジェクトでは、ALCの抱える自己矛盾とも言える現状を解決するために、二重シールの仕様として、特許取得致しました。また、ALCという材質的に柔らかいので角が面取りされている形状であっても、丁寧にデザインすればシャープな印象を与える建築になるという見本が作れたと思います。素材自体は優れているので、それを生かすことが大切なのだと思います。
SBS静岡放送メディアセンター
静岡新聞社制作センターに隣接する、放送部門の新社屋になります。免震構造の上にスタジオと事務所そして最上部に電波塔が載っています。今回も同様、本社屋と渡廊下で繋がっています。
静岡新聞社制作センター
新聞印刷工場と編集部の事務所、災害時に搬送するためのヘリポートを備えた2万㎡の新聞制作センターは、免震構造の創世記、参考にする事例のないまま始まったプロジェクトでした。出入り口の収まりに選択肢が無い。10トン以上の巻取紙を積んだトラックが出入りする。丹下健三先生が設計された本社屋と渡り廊下でつなぐなど、その当時としては技術的に難しいものが多々ありました。